健康状態のよい高齢者も、年齢を重ねるうちにケガや病気にかかるリスクが高まります。老人ホームで受けられる医療行為や医療依存度が高い場合の介護施設について悩まれているケースも多いのではないでしょうか。
今回は介護施設の医療行為についてご説明します。
①介護施設は医療機関ではない
近年の医療ケアニーズの高まりから、医師や看護師が常駐している介護施設が増えており、医療依存度の高い高齢者に大きな安心感を与えています。しかし、介護施設は医療機関ではないため、医師や看護師の医療行為は制限されています。施設内で行えない医療行為が必要な場合は適切な医療機関を受診することになります。
②介護施設で受けられる医療行為とは?
褥瘡や傷、皮膚疾患の処置、発熱時のクーイング、服薬管理、人工呼吸(酸素)の対応が可能です。痰の吸引、点滴、インスリン注射、経管栄養を行う施設もあります。規制緩和により介護職員に認められる医療行為は徐々に増えています。提供するサービスは施設により異なりますので、どのような医療サービスが受けられるか事前に確認する必要があるでしょう。
③病院併設型有料老人ホームのメリットと注意点
施設内または近隣に医療機関を併設し、医療依存度の高い高齢者が入居しやすいホームが増えてきました。併設型のメリットは、移動距離が少なく緊急の対応が可能なこと、家族が付き添う時間も削減できます。同一の法人が運営しているケースもあり、医療と介護の連携がとれ、情報共有される点で安心感が高いと言われています。しかしながら、医療依存度が高くなると入居条件から外れ、最悪の場合、施設を退去せざるを得ないケースもでてくるでしょう。
医療と介護は両論で考える問題です。老人ホームへの入居を考えた場合、健康状態や既往歴などから、適切な施設を選ぶ必要があります。医師やケアマネージャーなどの専門家と相談しながら、納得のいく選択をするようにしましょう。」