老後の資産運用と老人ホーム利用

2024.04.09
日本の平均寿命は昔と比べて長寿化しており、60歳のリタイア退職なら約20〜30年近く老後を生活していくことになります。
高齢で働くことは限界があるため、長い老後生活で不安になるのが資産でしょう。
普段の生活だけではなく、病気による治療費や老人ホームへの入居といった介護費用などの出費も想定できるので、老後を考えて資産運用を始める人が増えています。
老後の資産についてご紹介しましょう。


■老後に必要な資金

定年退職を迎えた年代の平均寿命年数は男性なら18.88年、女性なら23.97年と平成21年に厚生労働省が発表しています。
20年程老後を過ごすこととなりますが、ゆとりのある生活を実現するなら月の生活費は38万円程必要とされており、夫婦が20年間生活するとなると9000万円前後が必要となる計算です。
しかし、退職後は年金生活となるため、月38万円の生活費を用意することは難しいと言えます。


■定年後の収入と用意する資金

老後は厚生年金や国民年金が収入源となりますが、厚生年金なら平均14万円、国民年金なら平均5万円が支給されます。
65歳世帯の夫婦が老後に必要になる資金額と用意する資金額の例をご紹介しましょう。

・夫の生活費
15万円(厚生年金)×12ヶ月×18年(平均寿命年数)=3,240万円

・妻の生活費
5万円(国民年金)×12ヶ月×23歳(平均寿命年数)+{83万円(遺族年金)×5年}=1,968万円

合計すると夫婦で5,208万円の収入を得ることとなります。
支出には個人差がありますが夫婦が20年生活するとなると9,000万円から1億必要となるので、計算例では3,700万円から4,700万円の資金を確保する必要があるわけです。



■介護費用も考えて資産運用をする

高齢になれば生活だけではなく、介護が必要になる可能性があります。
なので、上記で資産だけでは足りないことも考えられるので、老人ホームの利用も考えて資産運用をしなければなりません。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護付有料老人ホームのいずれかを利用する場合、月額費用の目安は次のようになります。

・特別養護老人ホーム(月額8万円から13万円程度)
内訳は介護保険の1割負担は2万円程、居室や光熱費などの居住費が1万円から6万円程、食費が4万円程です。

・介護老人保健施設(月額9万円から15万円程度)
内訳は介護保険の1割負担が2万円から3万円程、居室や光熱費など居住費が1万円から6万円程、食費が4万円程、諸経費が1万円から2万円程です。

・介護療養型医療施設(月額11万円から18万円程度)
内訳は介護保険の1割負担が2万円から3万円程、居室や光熱費など居住費が1万円から6万円程、食費が4万円程、諸経費が1万円から2万円程です。

・介護付有料老人ホーム(月額15万円から30万円程度)
有料老人ホームの場合は施設の規模や立地、設備などによって費用が異なりますが、上記3つの公的施設よりも高い傾向にあります。
入居時には一時金がかかることもあり、数十万円から数百万円かかることがあるのでさらに予備資金が必要です。


老後は生活費だけではなく、老人ホームの利用も考えて資金を確保しなければなりません。
定年後は大きな資金を確保することが難しいので、早めに資金運用をして老後の資金を用意しておきましょう。
お役立ち情報一覧へ戻る